teacup. [ 掲示板 ] [ 掲示板作成 ] [ 有料掲示板 ] [ ブログ ]

 投稿者
  題名
  内容 入力補助画像・ファイル<IMG> youtubeの<IFRAME>タグが利用可能です。(詳細)
    
 URL
[ ケータイで使う ] [ BBSティッカー ] [ 書込み通知 ]

スレッド一覧

他のスレッドを探す  スレッド作成


思うに

 投稿者:高岡啓次郎  投稿日:2017年 7月11日(火)03時29分32秒
返信・引用 編集済
  少々荒っぽいが、店一番のシェフを放逐したレストランは閑古鳥が鳴き、すたれて廃業に追い込まれるでしょう。よほどの人が現れない限り、回復は難しいのではないか。仮に、こうした投稿も削除されるとなれば、それはどこかの国と同じで、自由を愛する人なら、そんな所に住みたいとは思わなくなるものです。五十嵐さんはどう思われていることでしょう。下記に予告どおり一週間前に投稿した別の文学掲示板にある文章を転載します。


群系の皆さま、大へんご無沙汰しております   投稿者:高岡啓次郎   投稿日:2017年 7月 3日(月)21時49分49秒    編集済


   先月38号を送っていただいたままお礼も遅くなり失礼しました。昨年は数ある同人誌の中で栄誉に輝かれたとのこと、二度ほど参加させていただいた者として嬉しく感じております。しばらくこちらの掲示板からも離れておりまして、昨日から久しぶりに読ませていただいていて少々驚いていると申し上げたいと思います。ここ一、二ヶ月の投稿だけですからとても全体を把握することはできませんが、根保さんをこちらの掲示板や関東から排除しようとのお考えにはどう考えても賛成しかねます。確かに彼の表現にはときに改善すべきものがあることは私もむかし激しく論戦を交わした者として理解しておりますが、全体として彼は誰よりも多くの同人誌を読み、それに対して積極的な批評を書き込んできたのは間違いないと思うのです。それによって関東の掲示板は長年にわたって活発で読むに値するサイトになっていました。貴誌に対しても大へん高い評価を昔から下しており、たくさんの著者の作品を取り上げて賞賛する場面も多かったのではないでしょうか。言葉の行き過ぎや個人攻撃に近い表現は誰もが注意しなければならないことですが、毒を恐れて排除してしまうことは長い目で見てけっしていいことではないと私は思います。本当にお仲間だけの掲示板にしたいのであれば海のように会員だけのパスワードをもうけてされる方法もありますが、もし外部からのあらゆる批判も受けて立つ覚悟がおありなら今のまま公開されて、どうしても不適切だと思う表現については改善を依頼するというのはどうでしょうか。まして関東の掲示板については五十嵐さんのお考えも十分にお聞きするべきでしょうし、副作用を恐れるあまり有用な治療を遠ざけて、肝心の文学掲示板がつまらない褒め合いや単なる情報交換の場になってしまうのは残念なことだと思うのです。群系の正式な会員でもない私が僭越とは思いますが、どうか慎重にお考えになるように心からおすすめします。包容力に満ちた、度量あふれる文学集団として、ますます輝きを増していかれるためにも、ここはひとつ冷静な対応が必要なのではないかと一日中考えておりました。なお、この文章はより多くの皆様の判断を仰ぐべく、数日後に関東の方にも載せさせていただきますのでご理解下さいますように。私は同じ苫小牧にいながら個人的な接触はほとんどなく、彼の肩をもつつもりは毛頭ございません。ただ、その批評能力が埋もれてしまうのは益よりも害の方が大きいのではないかと懸念しております。

 
 

ご報告

 投稿者:草原克芳  投稿日:2017年 7月 8日(土)01時11分43秒
返信・引用 編集済
  「まほろば賞」関東同人雑誌交流会・関東地区候補

■先日の都議会選挙の日、七月二日の日曜日、大田区民プラザにて、
「まほろば賞」関東同人誌交流会での合評選考会が行われました。
この「まほろば賞」は、文芸思潮(五十嵐勉編集長)主催によるものです。
今回の候補作品は以下の6作でした。

たいらいさとし   「サクラサクサク」   星灯3号

市尾卓       「忘れていた」     季節風109号

櫻井義夫      「ベンチのある風景」  街道28号

辻村仁志      「幽霊坂の病院」    空飛ぶ鯨17号

久保順子      「たゆたう記憶」     いずみ3号

関谷雄孝      「白く長い橋」    カプリチオ45号


一作ずつ、文章、内容、時代性、技巧、表現力、人物造型などの
さまざまな角度から、活発な合評が行われました。
いつものように、最後に参加者の投票(作者は除外)が行われ、
5点満点での点数を加算した結果は、以下の通りとなりました。

「サクラサクサク」  33点
「忘れていた」     14点
「ベンチのある風景」 14点
「幽霊坂の病院」   25点
「たゆたう記憶」   26点
「白く長い橋」    42点

「カプリチオ」45号に掲載された関谷雄孝氏の「白く長い橋」が高い評価を受け、
関東地区の代表作として選出されました。

『カプリチオ』掲示板
http://6910.teacup.com/capricciolitera/bbs


                *



>「根保孝栄文芸掲示板」を立ち上げました。

■おめでとうございます。
根保さん、そちらのサイトに飛べるリンクを張っていただけるとありがたいです。



 

「根保孝栄文芸掲示板」を立ち上げました

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 7月 7日(金)18時56分10秒
返信・引用 編集済
  ・「根保孝栄の文芸掲示板」を立ち上げました。
今後の「同人雑誌評」は、そちらの方に移行します。
この場を今後もよろしくお願いいたします。
長い間、ありがとうございました。

 ・振り向かぬ季節は一路渡り行く日本列島雨に濡れゐつ 石塚 邦男
 

海峡派139号

 投稿者:高岡啓次郎  投稿日:2017年 7月 4日(火)08時51分21秒
返信・引用 編集済
  若窪美恵さんの『泰子、河内に吹く風のように』
 先回は鰻屋に勤め始めた男性が主人公の小説を面白く読ませてもらったが、今回はまったくおもむきが違うもので、死人が生前を回顧して語るという内容。自由自在に素材を切り取っていくのは豊かなイマジネーションの持ち主だからなし得るのだろう。主人公である沼田泰子は夫がまかされた巨大ダムの建設の重責を影から支える役割を担う。八幡製鉄所の土木部にいた沼田尚徳が泰子の夫だが、産んだ7人の子どものうち5人までを病気で失い、本人もダムの完成を待たずして亡くなってしまうという実在する人物であろうと思われる。
 これを読んで私はこの場所を見てみたいと思った。五つの個性的な橋に囲まれた公園のように美しい沼田貯水池と、そこのかたわらに刻まれた記念碑をぜひ見たいものだ。書き方は平易にして気取りがなく40枚くらいの短編を無難にまとめているが、なにせ主人公や夫が舐めた辛酸はこの長さでは書ききれず、細部の苦悩をありありと描くには最低100枚は必要であろうと思う。
 登場人物は少ないからあえてシナリオみたいに会話の冒頭に名前を入れなくてもいいと思うが、作者には何か意図があったのかもしれない。この作品をたたき台にして雄大な大河小説として手がけられてはどうだろうか。もうすでに誰かが小説にしてしまったかもしれないが、若窪さんならではの力量でお書きになったら読み応えのある作品に仕上がるのではないだろうか。
 

海18号 九州

 投稿者:高岡啓次郎  投稿日:2017年 7月 2日(日)13時08分44秒
返信・引用 編集済
  有森信二さんの『万華鏡』
 時代は今の団塊の世代に属する人たちが小学生のころであろうと思われる。米や葉タバコ、野菜を栽培している農家の長男として生まれた喬とすぐ上の姉である美奈の視点から書かれた、りきみのない水墨画で描かれたような作品である。長男は農家を継ぐものだという考えしかもたない母親の元で、自由に羽ばたくことを望む少年の苦悩が話のメインとなっている。母親に可愛がられた記憶がなく、自分は外から貰われた子どもだと思ったり、果ては祖父が嫁である喬の母親に産ませた子どもではないかと疑ったりする。
 ただひとり少年の心の救いになっていたのは父親の妹である幸子だった。病弱な彼女は兄の家に同居して家事のいっさいをにない、得意な料理で子どもたちを喜ばせ、日頃から何でも相談にのってくれるので姉弟にとっては本当にありがたい存在だった。特に少年の喬はこの叔母をサッちゃんと呼んでなつき、何をするにも心を許して甘えていたのだった。
 しかしその叔母が他家へ嫁に行くことになり、『瀬戸の花嫁」の歌の歌詞にあるとおり泣き崩れる。姉のように、母親のように慕っていた対象がいなくなることは少年にとっては重大事件だったのである。それはもしかしたら思春期に訪れた淡い恋心であったかもしれない。一緒に寝てくれていたサッちゃんがいなくなってからぽっかりと空いた穴をお土産として置いていった物で埋めようとする。それは姉である美奈にも見せようとしない。秘密をもつことは自立の一歩であろう。
 やがて嫁いでいった幸子は女の子を産み、予想に反してたくましく生きている。少年は本当に憧れの叔母が遠くへ行ってしまったことを自覚する。最後に喬はずっと隠し持っていた万華鏡を姉に見せる。二人がそれを覗きながら会話しているところで小説は終わる。万華鏡の中の回転する光の点在は思春期を迎えている少年と少女の光と影であり、それを覗いている姿は自分たちの過去と未来を見つめているのだと読者に思わせるほのぼのとした美しい作品。
 

Re: 「石榴」18号(広島市)①楽しい後書きは木戸博子さん

 投稿者:木戸博子  投稿日:2017年 6月21日(水)06時46分28秒
返信・引用
  読者が少ないマイナーな同人誌を、こうして採りあげてもらえるのは励みになります。ありがとうございました。  

「季刊午前」(福岡市)①気になる作品は、原爆の後遺症か記憶を失った若い女を描いた廣橋英子「ブルーベット」

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月21日(水)01時42分57秒
返信・引用 編集済
  ・この雑誌は、確か初めて目にする同人誌か・・そうでないかもしれないが・・。創刊当時からの同人である宮本一宏さんの追悼特集を組んでいる。この雑誌にも忘れられない歴史があるのだ。

・廣橋英子「ブルーベルベット」は、「また誰かの思い出が、わたしの夢のなかでわたしになっていた。じゃあわたしって誰なの?と思いながら目が覚める。横を向くと、となりに男が寝ている」こんな描写から始まる作品。最初は男の名も思い出せなかったが、やがて思い出して来たわたしは、男のものと思われるシャツを着て寝ていた・・。バームクーヘンのように、積み重ねた記憶の真ん中だけがぽっかりとなくなっている・・。ここから、主人公の幼い頃の記憶の話になる。新型爆弾が落ちて、男にたすけられて・・髪が抜け歯ぐきから出血して寝ていたら戦争が終わった。

・わたしは何歳なのか。見る夢の影響で時々自分が小学生のような気がすると言うと、男はいくらなんでもサバ読み過ぎだと笑う。二十二歳のわたしは、日帰りでこの街に来たのだが、急に頭がぼおっとして、気がつくと男が立っていて、自分の名前を忘れていたのだ・・。そんな50数枚の作品なのだが、中途半端な作品のような気もするが、なぜか気になる作品である。

 ・原爆で記憶をなくした少女いて戦争の傷未だ癒えぬか  石塚 邦男

   郵便ー812-0015 福岡市博多区山王2-10-14 脇川方
 

文芸評論家、同人雑誌主宰者の力量は何で測られるか

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月20日(火)06時43分59秒
返信・引用 編集済
  ・昨今の文芸時評家、文芸評論家は、過去の既成作家の足取りをああでもない、こうでもないとほじくり出すことに熱心だが、無名の新人育成や無名の作品の評価には眼力に自信がないせいか、一言もコメントしない。無名の新人を発掘してこそ文芸評論家であり、文芸時評家と言える。

・すでに評価の定まった作家や作品を後追いで再評価する仕事は、誰にでもできる。磨かれていない原石の価値を一早く見抜くことこそ、同人雑誌主宰者の存在価値であり、文芸評論家の価値であり、文芸時評家の価値というものだ。

・無名の新人の作品を読んで、こいつはいけると直感する霊感を持っているかどうか、それが編集者の存在価値であり、文芸評論家の価値であり、時評家の価値。それを自覚して作品を読んでほしいと願う。それは、私自身の課題でもあるのだが・・。過去に文学界、群像、文芸などの新人賞受賞者、芥川賞候補、直木賞受賞者を育てたことはあるが・・このところ十年、当たりがないのは自分に不満だ。

・又吉直樹の新刊本「劇場」を短歌の弟子に買ってきてもらったのだが、さて・・。

 ・この作品点数付ければ何点かなど思案する春霞のなか  石塚 邦男
 

「カプリチオ」46号(東京都)② 加藤京子「月の爪あと」は新鮮な現代音楽の世界を映す異色の人間模様と業界の内部事情・・

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月19日(月)22時58分57秒
返信・引用 編集済
  ・加藤京子「月の爪あと」は、ロック・シンガーを目指して家を飛び出した才能ある女性の私だったが・・時代の変化の波に翻弄され、それでも己の場を確保するため必死になる・・。副登場人物も魅力的なリーダーのシバ。このシバを中心に郊外にファームを形成して共同生活をしたり、業界の変化と時代の音楽の変化に翻弄された末に、かつてロックで知り合い恋人だったハマとの十五年後の再会、そして・・・と目まぐるしい時代の推移に必死に抵抗して生きる一女性アーチストを炙り出した作品は、当然ながら異色。

・だが、五十数枚の枚数では時代の推移の色合いの変化は、ダイジェスト的になってしまうのも止むをえない。時代の変化、業界の変化を説明するところが面白いにしても、小説は人間の絡みが主体になるもので、この枚数ではこなしきれないのは当然だ。この作品は良いテーマ、モチーフを包含しており、人間の絡みを主軸にした場面を念入りに描いて100枚ものに仕立て上げると、話題の作品になると思う。

・文学界、文芸、群像などの新人賞向きの作品である。応募するとこの作風ならいいところ行きそうだ。仲間内で作品を叩いて完成品に仕上げ、応募するのも一方法だ。この着想をまず買いたい小気味よい作品ではある。

 ・アーチストに憧れ故郷を飛び出せる少女の姿小気味よく読む  石塚 邦男
 

「カプリチオ」46号(東京都)① 編集後記で東京新聞の「大波小波」のコラム執筆者を批判

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月19日(月)16時17分5秒
返信・引用 編集済
  ・編集後記紹介が続いたが、最近届いた「カプリチオ」の編集後記の一部を以下に紹介。

・東京新聞の有名なコラム「大波小波」の記事内容に驚きを隠せなかった。評論集の内容にはほとんど触れず、「宮原昭夫評論集」の出版背景を、巻末に収録した「制作委員会のこの本の作り方」から引用して、簡単に述べるにとどまり、最後の段階では、「宮原昭夫評論集」を村田沙邪香氏の芥川賞受賞記念謝恩出版と名付ける中傷にまで及んでいる。記事執筆者の私怨か、はたまた自身に弟子がいないことへの憤りを った、稚拙限りない駄文だ。この執筆者、「宮原昭夫評論」を読んでいない。目次とあとがきに目を通して書き上げたにちがいない。だって、本の内容に触れてないのだから。・・・(省略)執筆者としての矜持を持たぬ輩が、新聞媒体を利用して、個人的なねたみそねみを書き散らす内容に、不快感しかいだかない。

・この編集後記は、新聞媒体の執筆者の手抜き記事に異議を唱えているものだが、こういう編集後記も目を引く。案外、雑誌の本記で大論文をもって批判するより、編集後記にかいつまんで要約して書いた方が読まれる、ということはあるだろう。この指摘にある通り、私も読後感を書くとき、必ず簡単でも筋書き、内容に触れるのは、「読みもしないで感想を書いているのか」の疑惑を招かないためだ。手慣れれば、内容を読まないでも、ある程度の感想は書けるものである。ここの指摘は、いいところを突いている。マスコミ批判は、こうした具体的な批判でなくては通じないだろう。「大波小波」執筆者は「何だって?同人雑誌に俺の書いたことで文句つけてたって?どら、読ませろ」となるに違いない・・雑誌一冊東京新聞に送り付けるといい。

・私も、地方新聞のコラムを担当していたとき、二、三抗議された記憶がある。気付いたところは理を尽くしての抗議は当然である。ただし、感情的にならずここにあるように理を尽くした抗議をしたいもの。

   郵便ー156-0044 東京都世田谷区赤堤1-17-15

                    「二都文学の会」草原克芳
 

送ってくださる同人雑誌の誌代は払いませんのでご了承ください

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月19日(月)01時48分35秒
返信・引用 編集済
  ひと言無粋なことを・・。

・私宛に送って下さる同人雑誌、ありがたいのですが、誌代は払いません。
なぜ、こういうことを改めて申し上げるかというと、
さる同人雑誌が「長く送り続けているのに金も払わない」と
文句を言って来たので驚いたわけです。

・送って来る同人雑誌すべて買い上げてこの場で感想書くとなると、
いくら私に財力があっても持ちません。
また、こっちに払って、あっちに払わないという差別もできません。
それで、申し訳ありませんが雑誌の買取りは一切いたしませんので、
誤解のないようにお含みおきくださいますようこの場で申し上げておきます。

・ただ、送ってくださる雑誌すべてには目を通していることは
誠実に申し上げておきます。
そして佳い作品または印象に残る作品については、
この「関東」の場または「凶区壁新聞・凶区掲示板」で感想を述べさせていただきます。

・ただし、知己の有無、男女について特別忖度して書くどこかの自称評論家のように、
印象批評するようなことは致しません。
また、作者が好き嫌いなどの差別や作者におもねる感想は書きませんので
ご了承ください。また、感想を書かれないからといって
作品が悪いということではなく、
たまたま私に時間がなかったのだとご了解ください。

・その場で書けなくても、次の作品の時には過去の佳作にも遡行して
感想を書きますので。

・雑誌受けとりのご返事は出しませんが、それは作品感想をもってかえさせていただきます。

              平成二十七年六月十九日         根保 孝栄
 

「新現実」129号(東京都)① 小林秀雄は酒癖が悪かった? 石毛春人の編集後記が面白い

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月19日(月)01時05分59秒
返信・引用 編集済
  ・この雑誌、昭和23年に編集人が林富士馬、発行人が牧野徑太郎で同人27人で創刊されたという。同人以外でも三島由紀夫、草野心平、野間宏、島尾敏雄、庄野潤三などの寄稿があって3年続いたが休刊、第二次、第三次と続いて、現在は第八次55号という伝統ある同人誌。

・石毛春人「旅を惜しむ」は、「日記小説」とでもいうのか、何月何日という日付で小間切れに設定した主人公の行動を映しとる構成。昭和六十三年五月五日からの書き出しになっている。この作者、元は朝日新聞の文芸担当記者であった記憶がある。それで多くの作家や文芸評論家と知己になり、原稿取りなどで自宅に出向いたりしたため、多くの作家、文芸評論家の身辺につき作品にして残している貴重な存在である。編集後記に次のようにある。

・東京オリンピックの前夜、鎌倉から来る小林秀雄氏を新橋駅に出迎えて、銀座通りを車で京橋の方に向かっていたのだ。カーラジオが、オリンピックの予行演習の様子を流していた。「オリンピックには見にいかれますか」と小林さんに私は問いかけた。「いや、いかない」と小林さんは呟いたので、久しぶりに志賀直哉さんに会うというので、小林さんも緊張していたのか、この志賀、小林対談は当時の最高のカードだと思われるのだが、新聞や雑誌には何も載せないという条件だったので、記録も残っていない・・。(以下貴重なこの編集後記はまた日を改めて紹介)

  ・飲むほどに小林秀雄はべらんめい調子になりて直哉困惑

 ・先輩をあんたと呼び捨てしたるまで酔ひ痴れたるは小林秀雄

 ・志賀さんを呼び捨てにする甘へん坊小林秀雄は酒に溺れたり   石塚 邦男
  
 

「文芸きなり」84号(三重県菰野町)① 一つ屋根の下で1階と二階で暮らすようになった男女は・・読ませる藤吉佐与子「星の峰」

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月18日(日)20時11分12秒
返信・引用 編集済
  ・編集後記に詩人の清水信さんが亡くなったことに触れている。清水さんは私が青年時代に詩を書いていた頃、月刊詩誌で詩作品の評を担当していたので、全国的にも有名であった方。哀悼・・。追悼特集を組んでいる。創作は連載を含め六編。

・藤吉佐与子「星の峰」は、台風一過の川の濁流に赤ん坊を投げ入れようとする30歳の女を35歳のキャンプ場の管理人が、たまたま不審に思って注目していたところ、あわや引き留める場面から始まる。事情を聞いた管理人は、ここキャンプ場に住めばいい、と言ってくれた。救けてくれた管理人と不幸な女は、一つ屋根の上と下で暮らすようになる・・そして・・という話。この作者、読者に小説の先を読ませる技術は心得ているようだ。

・なお、感想評その2は「全国文芸同人誌」の掲示板に掲載してます。

 http://6929.teacup.com/377612377612/bbs

  ・一つ屋根の下で暮らせる男女如何になるらむ読み継ぎたるよ  石塚 邦男

  郵便ー510-1242 三重県菰野町大羽根園柴垣町1-8 西垣美幸方

      電話ー059-393-1470
 

「クラルテ」(調布市)① 図書館の矛盾した実態とけなげな司書志望の若者の生活を描いた秀作は、宮波そら「ホコリの塊」

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月18日(日)13時43分34秒
返信・引用 編集済
  ・「クラルテ」の誌名は第一次世界大戦後の平和運動「クラルテ運動」に由来する。フランスに留学してクラルテ運動を体験した小牧近江が発刊した「種蒔く人」は有名だが、小林多喜二が小樽で同人誌を出した時、誌名を「クラルテ」としたのは有名。編集後記に「私たちもクラルテの名に恥じない創作、評論を書く決意だ」としている。「クラルテ」とは、光の意味。創作は三編。

・宮波そら「ホコリの塊」は、図書館の司書の資格をとったは良いが、その資格を生かす勤め先がなかなか見つからず本屋でアルバイトしながら就職試験に走り回る二十八歳になる女性の話。そこから日本の図書館の矛盾した実態が浮かび上がる・・という内容は、問題提起という意味でも価値ある作品だろう。図書館司書の資格を取った者でも、正式職員・社員でない臨時採用の者は、アルバイトに毛の生えた程度の時給しかもらえない実態を始めて知った。

・また、市町村の公共図書館でも経費節減のためだろう、今は派遣会社の下請け企業が参入しており、貴重な郷土資料の管理も利用が低いという名目で、廃棄されている恐るべき実態も明らかにされていて驚いた。この作品、問題作だけでなく、図書館を、本を心から愛する女性のひたむきな生き方を写し取って、こまやかな心理描写も優れた作品に仕上がっている。問題提起ばかりでなく司書の健気な実態を描いた感動した秀作に出会った僥倖を喜びたい。

・当然、民主文学の新人賞受賞クラスの問題作。

  ・埃立つ書架の間を小走りに働く司書の姿愛しも  石塚 邦男

  郵便ー182-0035 調布市上石原3-54-3-210

      日本民主主義文学会代々木支部 北村隆志方
 

「石榴」18号(広島市)①楽しい後書きは木戸博子さん

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月18日(日)07時56分12秒
返信・引用 編集済
  ・編集発行人の木戸博子さんは、今時珍しい知性派の博識作家にして俳人。外国文学にも詳しい。二十五年前私も一時所属していた黒田杏子主宰の俳句の雑誌の主要同人でもある。この人の「後書き」はいつも面白く、読むのが楽しみだ。センスのあるなしである。後書きがつまらない雑誌は内容もつまらないのが多いのだが、この人のはいつも洒落ていて楽しい。ちょっと以下に紹介。

・昨年末、新開誠監督のアニメ「君の名は?」を観た。風景描写が細密、特に多様な雲が美しく、意表を衝くストーリーも新鮮だった。とりかえばや物語を下敷きにしたというが、古典はこのようにして新しい世代によって換骨奪胎されていく。

・二月には広島映像文化ライブラリーでオリヴエイラ監督追悼特集を観た。一昨年106歳で亡くなったポルトガルの監督だが、老いても衰えぬ創作欲に感嘆した。「アブラハム渓谷」は、フローベルの「ボヴァリー夫人」を映画化したもの。信仰の風土での女性の愛の遍歴と死が、映像美とナレーションによって描かれていた。

・「ボヴァリー夫人」といえば、堀辰雄の「菜穂子」やモーリヤックの「テレーズ・デスケルー」にも影響を与えた姦通小説の元祖的古典。「石榴」17号映画紹介で採り上げた「ライアンの娘」もこの系譜に繋がる映画で、「ボヴァリー夫人」が現在にいたるまで受け継がれていることを教えられる。

・また、敵軍の兵士との禁断の愛という主題は、マルグリット・デュラスの「ヒロシマ・モナムール」にも、ヒロシマを訪れたフランス娘とドイツ軍兵士との戦時下の恋という形で出てくる。デュラスもまた「ボヴァリー夫人」を愛読したひとりに違いない。その「ヒロシマ・モナムール」のフランス娘を演じたエマニュエル・リヴァも、一月に亡くなった。

 ・デュラスを愛読したる彼のひとは青春時代の戦友なりき   石塚 邦男

   郵便ー739-1742 広島市安佐北区亀崎2-16-7 「石榴編集室」

 

「風の道」第七号(東京都)① 間島康子「隣家」は落ち着いた潤いある文体に味

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月18日(日)06時03分50秒
返信・引用 編集済
  ・作家の葉山修平ゆかりの雑誌だが、彼が逝去したあとその遺志を継いで教え子が再びスタートしたと編集後記にある。

・大森盛和「歳時記」。過疎化した村の実家に久しぶりに帰ったのは、亡くなった父母の法要のためだが、主人公の生家には離婚した甥が一人で住んでいる。仏壇にお参りに立ち寄るといつも甥は留守で、半ば朽ち果てている生家のさまを見ると、子供の頃を思い出す。父が大酒をあおった末に風呂で急死、姉が結婚相手を連れて帰省したとき、中学生だった主人公はどう振る舞っていいのか分からず、隠れて覗いていたこと、大叔母の思い出、母屋の大改修のことなど、走馬灯のように細やかに描写する筆筋。

・吉田慈平「鳴りつる方を眺むれば」は、題名が歴史仮名つかいなのは珍しい。寄る年波には勝てず耳鳴りに悩まされるようになり、髪の毛も薄くなった。今日の予定は・・と考えてみるが夕刻まで何もない・・。馴染みの喫茶店へ場所を移して同人誌の原稿でも書こうかと思いいたったとき電話が鳴った・・というような描写で始まる一人称小説。

・間島康子「隣家」は、隣の家の時代の移り変わりを主軸に、主人公由紀子の会社勤め、結婚、帰省の話を紡ぐ。「平凡な日々に、大っぴらに話すことでもない自然のささやかな営みを静かに目に留めていた」という表現があるように、通勤途中のバスの車窓から見る風景から始まるのだが、これが一服の落ち着いた風景画のように描写されている筆筋が光る。言葉が原稿用紙にしっかり定着している文体が何よりも買える。
 田舎の跡取り息子だった父だが、弟に家督を譲って町に出て、地味な暮らしをし家を建てたことなど、主人公の由紀子の目線から隣の火事の被害を受けたこと、結納が整ったばかりの由紀子の着物は無事だったことなど。間もなく嫁いだ由紀子であったが、十年後久しぶりに実家に帰ってみると隣の家の雨戸はすべて閉じられて寂しい気配が漂っていた・・。聞いてみると離婚したということを聞いた・・。主人公由紀子の実家のエピソードを中心に巧まずにさらりと描いた抒情の味が光る。この作者、ニ、三読んだ記憶があるが、どの作品も落ち着いた文体に膨らみのある心象の影を描写できており味がある作者である。いつも地味な私小説的素材なのだが、詩人らしい潤いある言葉の展開、描写に勝れているので、五十嵐勉さんの雑誌や全作家の雑誌レベルの賞なら一番近い位置にあるのではないか。地味だが、芥川賞レベルの心象、風景描写を紡ぐ作家である。

  ・風の道通り過ぎたる彼のひとは片翼のみの飛行哀しき  石塚 邦男

 郵便ー116-007 東京都荒川区南千住8-7-1-1105 吉田方「風の道同人会」



 

啄木の北海道における足跡 疾風怒濤のごとく駆け抜けた男

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月12日(月)08時36分39秒
返信・引用 編集済
  ・上京するためいくばくかの金を稼がなくては、と啄木が妹を連れ岩手県の渋民村を追われるごとく出て青函連絡船に乗ったのは、明治四十年の五月五日。その日のうちに函館に上陸した。ここから翌年の四月二十四日まで、函館、札幌、小樽、釧路と359日漂泊するごとく居を移している。漂泊と言ってもただ彷徨っていたわけではなく、上京の金を貯めようと金を貯めて上京しようと彼なりに必死だったのである。しかし、新聞記者の派手な付き合いで、金など貯まるわけがなかった。

・その足跡を細密に分析してみると、一か所に腰を落ち着けて仕事をした気配は微塵もないことを確認して、今さらながら驚きあきれてしまう。啄木の北海道滞在の足取りを確認してみると、以下のようになる。


滞在地      宿泊地での期間               滞在日数

函館       明治四十年五月五日ー九月十三日         21日間
     (函館商議所臨時雇いが21日間、小学校の代用教員93日間、函館日日新聞の遊軍記者8日間)

札幌            九月十四日ー九月二十七日       14日
                               (北門新報校正係)
小樽            九月二十七日ー四十一年一月十九日  115日
                               (小樽日報三面主任85日)
岩見沢        四十一年一月十九日ー一月二十日         2日

旭川             一月二十日ー一月二十一日        2日

釧路             一月二十一日ー四月五日        76日
                               (釧路新聞編集長格)

上京の準備(函館、小樽)    四月七日ー四月二十四日        18日



・岩見沢、旭川それぞれ2日の滞在は、釧路へ向かう途中下車、小用を済ませただけのことである。
それにしても、啄木は落ち着きのない男だった。函館では大火に遭遇したため、止むなく札幌へでるのだが、大火さえなかったら、もう少し函館で頑張ったことだろう。不運な男であった。札幌が短かったのは、北門新報に勤めだして直ぐに、小樽日報の話があって小樽へ行ったためであるが、ここで人事の内紛に巻き込まれて飛び出し、釧路行きとなるのである。これも不運であったろう。場所を移すと経費がかかるのである。金など貯まるわけがない。結局、上京するときも借金であった・・・。

   ・不運なる男と言はれし啄木の蝦夷地の足跡訪ねてもみん   石塚 邦男
 

「風の道」の奮闘を祈念します

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月11日(日)02時31分9秒
返信・引用 編集済
  ・元気だったのですね。お子さんもお元気ですか。大事にしてあげてください。

    風の道通れるところ人の道いつしか形をなして延びゆく   石塚 邦男

   小川原健太さんへ   根保
 

「風の道」を送りました。よろしくお願いします

 投稿者:小川原健太  投稿日:2017年 6月 9日(金)20時50分5秒
返信・引用
   ご無沙汰しております。北海道を舞台とした本格ロマンを執筆中とか。その気宇、健筆、執念にたじろぎと嫉妬を感じます。
「風の道」(第7号)ができました。本日、お送りしました。お目通しいただければ幸いです。
 「群系」の掲示板に私の作品の掲載がないことに触れられていますが、その間の事情について。葉山修平氏が亡くなられて、「雲」が廃刊となりました。我々の「風の道」も存続が問われ、私はマンネリから脱したい意味でも「群系」に移ることを考え、根保さんにもそんな話をしましたが、その後の諸般の情況から「風の道」に留まることとなった次第です。同人諸氏が継続を模索するときに、師が亡くなられたのを契機に右から左へさっさと移るのはやはり気が引けます。
 掲示板といえば、この春くらいか、根保さんには「続 荒野に満る声」に触れていただきながら、お礼も申し上げずにすみません。その前後PCが不調で、掲示板はここに限らず、どこも見ないことにしてました。先月くらいに久しぶりに開いたところ根保さんの論評に気が付きましたが、あまり間が抜けてしまっていたので、そのままにしてしまいました。ご容赦下さい。
 

Re: 「群系」38号(東京都) 白眉は草原克芳の「開化日本、書生がゆく」近代文学の始原を探る着想

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月 7日(水)17時20分53秒
返信・引用
  > No.1923[元記事へ]

根保孝栄・石塚邦男さんへのお返事です。

> k
 

レンタル掲示板
/83