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「私人」91号(東京都)  人生の味は 根場至「ユンボのあした②」の佳作

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 6月 2日(金)11時41分31秒
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  ・根場至「ユンボのあした」②、前段に①があったようだが記憶にない。読んだのか読まなかったのか・・・。しかし、この作品は構成が不器用だとしても、内容的には問題作の佳作である。
魚屋の長男に生まれた水谷は、高校を卒業したら跡を継げと父に言われたが、魚屋になるのが死ぬほど嫌で家を飛び出す。手当たりしだいに住み込みの仕事を転々とするうち48歳のとき母が死に葬式に帰ったときに父親にこっぴどく叱られて、父とは音信不通になった。たまたま就いた職業が交通誘導警備の仕事だった。これが、水谷には気に入ったのである。その理由は・・・。

・この警備の仕組みや人間関係、寮生活などを詳しく書いている作品なのだが、それがなかなか味のある老人の登場などで一風変わった「人生とは何ぞや」と自問自答する登場人物を中心に不思議な作風に仕上がっているのである。一読理解しやすいため軽い文体のように読めるのだが、登場人物の会話も絶妙の間合いを持ち、読者の気をそらさないなかなかのリズムある独特の作風を持っている作家。一種の企業内小説とも言えるが、底辺の労働者の赤裸々な生き方が哲学的にじんわり滲んで人物の味を出せるところが、この作家の持ち味だろうか。

  ・人生を考へること止めし君に問へば分かつたやうな貌をする  石塚 邦男

   郵便ー163-0204 東京都新宿区西新宿2-6-1  新宿住友ビル

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