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「相模文芸」33号(相模原市) 竹内魚乱「カタ屋さん」はしみじみした哀感あふれる小品

 投稿者:根保孝栄・石塚邦男  投稿日:2017年 4月21日(金)23時34分15秒
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  ・竹内魚乱「カタ屋さん」は、二十数枚の小品だがしみじみとした哀感のある作品であった。傷痍軍人のおじさんは片手がないのに、子供たちに素焼きの型枠を売って生活している。賢治は、色を塗るときれいに仕上がる型枠に魅せられて、カタと色と刷毛を十円で買い、作品作りに挑戦する。並べてあるカタは、鉄腕アトム、鞍馬天狗から羽子板、ネコやネズミ、また風景ものもあった。立派にできると点数がもらえて、他の型枠と交換できる仕組みだ。そんなおじさんに一番可愛がられたのが賢治だったが、ある日、おじさんは入院することになり、何月何日にはここでまた店を開くから、来なさいと言って去って行った。ところが、約束の日が過ぎてもおじさんは現れず、かわりに賢司と同じくらいの少女がやってきて、おじさんが亡くなったことを賢治に告げた。そして、賢治が一番欲しかった金閣寺の型枠をおじさんの形見だといって渡された・・・。起承転結の書き方も心得た作家で、冗漫さや無駄な描写のないところが買える作家だ。

・えびな銀子「時代下り」は、八十を過ぎた私が、夢の中でよく出てくる高校時代一緒だった佐知子の行方を捜していると、佐知子の息子と名乗る人物から電話があった。心臓を患って病院にいるが、何とか元気だというのである。会いに行くと・・という十数枚の小品であるが、これも起承転結まとまった余情ある作品。

・外狩雅巳「工場と時計と細胞」は、夜学に通いながら働く青年を主人公にしたドキュメント的体験小説構成で80枚を超える力作。構成にやや難がある作品であるが、主人公の体験の重さは読者に伝わる。

・野口英次「加藤武雄の文学について」②、木内是壽「新時代を迎えた文芸同人誌」のエッセイは小論ながら、的を外さないベテランの筆筋。また、野田栄二、横山絹子の連載小説も好調。

  ・亡き人の形見をその手に眺めつつ幼なははるか未来を見つむ  石塚 邦男

  ・相模原市中央区富士見3-13-3 竹内健方

     電話ー090-8460-2098
 
 
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